双子ママ研究者の研究・育児日誌

文系の女性研究者(特別研究員PD)のブログです。 出産して双子の女の子のママになりました♡育児と研究の両立に奮闘するなかで思ったことを書いていきます。

特別研究員の保育園事情1

「保育園落ちた日本死ね!!!」ブログが大きく取り上げられている昨今。


保育園に「落ちた」女性が、「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ」と、日本の政策に怒りをあらわにされています。


待機児童、さらに入所保留児童(特定の保育所へ入所できず、例えば自宅からも通勤路からも遠すぎる保育所のみから入所を受け入れられた結果、辞退した児童)の問題は深刻です。子どもを保育園に預けられなかった場合、仕事をやめなくちゃならない仕事事情や、保育園に入れなかった場合、仕事を辞める・変えるなどの決定を強いられるのがほとんど女性であるという問題など、さまざまな問題も浮き彫りになってきていますね。


研究者が研究を続けるためには、今の研究者業界事情もなかなか厳しい状態なので、やはり保育園に子どもを預けられるかどうか、ということは重要なことです。保育園に子どもを預けられることで、競争の激しいこの業界において研究者として首の皮がつながると言えるのではないでしょうか。


ただ、やはり待機児童問題があるので、審査に「落ちる」危険がつきまといます。私の住んでいる市でも、乳児の待機児童が発生していました。平成31年に向けて待機児童ゼロ対策を目指す長期的計画をしてくださっているらしいのですが、今は平成28年。そんなに待てないわけです。なので、今審査に通らないと、有名でも才気あふれるわけでもなんでもない、たくさんいる研究者のなかの一人である私のような研究者の今後の研究活動は、さらにさらにとってもとっても過酷なものになってしまうのです。私も保育園落ちたら、「どうすんだよ研究やめなくちゃならねーだろ」と怒っていたことでしょう。

 

特別研究員の場合の保育園申し込みなのですが、とても大変なことがあります。それは…就労証明書がでない!!!!!!ということです。

 

まあ、これは仕方がないことなのかもしれません。特別研究員には、特定の勤務場所、勤務時間、勤務内容があるわけでも、誰かの管理下で業務を行っているわけでもないので、そんなもの証明できないわけですから。しかし、自営業というわけではなく、学振に「採用」されているのですから。でも、これって結構痛いことなのですよね。ただでさえ、待機児童が出ているのに。私には双子2人とも(できれば同じ園に!!)入園させないとどうにもならないというプレッシャーもありました。


学振は代わりに採用証明書を発行してくれます。でも、そもそも特別研究員の職って、一般的にとっても理解されづらいですよね。研究者じゃない友達に、特別研究員の仕事について説明しても、不思議な顔をされます。いろいろ説明した後、友達から「で、職場は大学なの??」と聞かれたことも…。受け入れ研究機関はあるけれど、決してそこが職場なわけではありませんよね。こんなふうに一般的に不思議な職なので、特別研究員が子どもを保育園に預けようとしたら、就労証明書もないし、仕事も理解されず、あえなく「落ちる」という結果になりかねないわけです。


そんなこんなで、妊娠中から保育園活動(以下、保活)がんばりました。そして、このご時世幸運なことに、待機児童が発生している市にもかかわらず、めでたく認可保育園(認定子ども園)に「受かる」ことができました。


我が子は双子なので、そこが加点された可能性もありますし、東京23区のような激戦区でもありません。でも、特別研究員が保育園に申し込むときの方法に戸惑われる方も多いと思いますので、次のブログで私の経験談を紹介しておきますね。

学振制度を利用しての妊娠・出産

この時期になると研究者たちが、ある書類を書くためにバタバタ、そわそわ。


そう、4月といえば、日本学術振興会の特別研究員への申請書類を書いている時期ですね。


学振に「当たる」と、大学院生をしながら給与や研究費(科研費)がもらえたり、大学院を出た後も、身分を保証されながら給与や研究費がもらえます。博士号を取得したら月々約36万円がもらえるので、任期がある研究者にとっては、かなりありがたい制度です。科研費も私は直接経費で年間100万円以上いただいているので、研究活動を安心してたっぷりと行うことができています。特に、採用のバリエーションが少ない文系研究者にとっては、貴重な職なのではないでしょうか。


この学振制度、「子どもがほしい!」と思っている研究者には、さらにありがたい制度なのではないか、と思っています。


妊娠・出産を考えていらっしゃる研究者の方々なら重々に承知のことかと思いますが、研究者が妊娠・出産を経て復帰することは、なかなか難しいことです。なんせ、「自転車操業」ですから。走り続けないと倒れてしまう、消えてしまう。論文を1本学会誌にのせるのも、執筆、審査、校正などなどしてたら、あっという間に1年なんてたってしまいますよね。そんな研究者が妊娠・出産・育児の期間、動きを完全に止めてしまうと、駆け出しの研究者にとって致命傷にだってなりかねないのです。妊娠・出産中(後)に任期が切れ、妊娠・出産・育児のため業績が出せず、次の職が決まらず…(以下省略)。


こんな研究者業界で、いつどのタイミングで出産すればいいの…と思っていました。当時、まだ大学院生で学振DCだったころのことです。同じく学振DCの友人Aが、妊娠・出産したのです。学振には出産・育児における研究中断制度があります。研究中断中、給与はでないのですが、特別研究員の研究専念義務は免除され、さらに休んだ期間分だけ学振の任期を延長することができます。また、ゆるやかに研究再開するための、研究再開準備支援の制度もあります(くわしくは、学振HPへ)。友人Aは、学振のその制度を使って、産後順調に研究復帰していました。


これだ!と思いましたね。他にもいろんな方法はあるのでしょうが、私にとって学振制度を利用するという方法は非常に現実的に感じられました。当時すでに学振DCでしたので、その時から急いで、結婚、妊娠する、というのは考え難かったです。そこで、「学振PDをとったら子どもを産みたい!」と強く思うようになりました。そして、その後、運よく学振PDに当たりましたので、結婚して、妊娠して、出産したわけです。


もちろん妊娠は決して計画通りにいくようなものではないのですが。。。でも、学振中に妊娠期間を過ごすことは、個人的にはとーーーーーってもおススメです。身体的な拘束力が極端に少ないので、自分の体調と相談しながら、細く長く、出産まで研究を続けることができます。妊娠前のようにバリバリ研究するというのは無理ですが、それでも妊娠経過、胎児の成長を第一に考えつつも、業績をある程度出すことができます。こうして大きなブランクが発生することを回避できます。そのあたりはまた次の機会にでも詳しくかけたらいいなと思います。

女性研究者の妊娠・出産・育児

昨年、双子を妊娠・出産しました!!


あまりのかわいさにやられっぱなしです!

私は文系の女性研究者なのですが、この業界では妊娠・出産をしても研究を続ける!!ということに大きな壁があります。


幼い頃から、いつか自分の子どもに出会うことが夢でした。でも、研究者としてのキャリアをあきらめたくない、という想いもありました。いろいろ考えた結果、どちらかをあきらめるなんてできない!じゃあ、どちらも叶えちゃおう!と意気込んで今に至ります。


今は、日本学術振興会(いわゆる学振)の特別研究員PDです。女性研究者の妊娠・出産・育児、特別研究員の保活(保育園)などなど、あまりにも情報が少ないので、何か発信できたらなぁと思い、ブログをはじめました。


あと、双子ママの妊娠・出産・育児についても書いていけたらいいなと思います♡
妊娠中は、双子妊娠のリスクや妊娠線の恐怖におびえながら過ごしました。


めちゃめちゃいっぱい調べて、最悪のケースに備えました(笑)


おかげさまで、管理入院なし、妊娠線なし、正期産を達成!笑顔で元気な双子の女の子に出会えました♡


こちらに関しても、とくに妊娠中は、ネットサーファーのような感じだったので、もっと情報があればなぁ、と思いました。

育児と研究に追われていますので、あんまり更新されないかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします!