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双子ママ研究者の研究・育児日誌

文系の女性研究者(特別研究員PD)のブログです。 出産して双子の女の子のママになりました♡育児と研究の両立に奮闘するなかで思ったことを書いていきます。

RPD申請:出産・育児による研究中断の影響

私は学振PDの研究中断期間〜研究支援再開準備期間に学振RPDの申請準備・申請をしました。もし学振RPDに採用されなければ、PD終了後、どんなふうに研究を続けていけばいいかは未知の世界です。子どもが幼い時期に想定される様々な困難を乗り切るためにも自由度の高い学振RPDは、現段階の私にとって、多くの縛りがある常勤よりもありがたい身分なのです。

 

RPD申請にあたっては、申請書にDCやPDとは異なる項目の記述が求められます。「出産・育児による研究中断のために生じた研究への影響について(以下、研究中断の影響)」です。

 

学振のホームページによれば、RPD制度は、例えば、非常勤研究員や任期付ポスドクが、出産・育児休業制度が適用されない場合があるため、出産・育児に際してその職を辞めざるを得ないなど、その後の研究現場への復帰が困難な状況になることを想定し、このような方々が研究活動を再開するための支援を行い、多様で優れた研究者の養成・確保を更に推進することを目指すものです。研究中断の影響の記述例としましても、同様の例が提示されています。

 

妊娠・育児のために研究職を失うという強烈な影響が例示されているため、私は研究中断の影響をいったいどんなふうに書いたらいいのか、かなり疑問に思いました。というのも、私は学振PDで、出産・育児のための研究中断ができ、中断期間分採用期間は延長され、学振PDという身分を持って研究復帰できるという立場にあったからです。一方、ネットを調べれば同様の経歴を持たれている方々がいることが分かりますし、RPD申請の際に現在学振の身分にあるかのチェック項目があります。なので、自分がRPD申請対象であることは明らかでした)。

 

しかし、妊娠・出産・育児をご経験された方々は、このライフイベントそれ自体が、どれほど研究者であることに打撃を与えるかご存知かと思います。RPDは競争相手が少なく、PDより採用されやすいというのは、おそらく事実のように思われます。子持ちの特権のようなイメージを持たれているのも分かります。しかし、今の研究者業界の諸々の事情は、子どもを持った研究者にとって辛辣です。ここには詳しく書きませんが、子どもを持っていないこと(あるいは子育ての主体でないこと)が前提とされてこの業界は動いていると思うこともしばしば。。。ある程度心身共にタフでないと(あるいは鈍感にならないと)しんどいことも多いかもしれません。

 

学振PD申請書執筆時、私はひとつきに国際学会を2本抱えており、(自業自得ですが)激しく忙しく、学振申請書は海外出張先で書きました。しかし、それよりも(少なくても私にとっては)学振RPD申請に向けての執筆の方がずっと大変でした。子育て中の研究者が、研究を続けるために何かをするということは、本当に本当に大変なのです。

 

でも昔と比べるとかなり改善されたみたいですね。RPD制度ができたのも比較的最近ですから。ネットの記事で読みましたが、ある女性研究者の方が、学振という自由な身分が妊娠・出産・育児にとって非常に助けになるという提案を公の場でしてくださったことが、RPD制度の発足のきっかけだったとか。学振制度を利用して、これらライブイベントを乗り越えようとしている身としては、この方にこの上ない感謝を申し上げます。

 

話は戻りますが、研究中断の影響は、必ずしも職を失ったほどの大打撃について書かないといけないわけではありません。現に、申請時には、学振PD期間が1年半ほど残っていた私が採用されているので、この点は全く問題がないはずです。しかし、このような状況にあるとしても、研究中断は一研究者に大きな影響を与えるわけです。経験者のみなさまはそれを痛感されていると思います。そのことをそのまま書いて、まず問題ないと思われます。

 

とはいえ、具体的にはどういうことを書いたかは気になられると思います。ここには個人情報が入りますので、オブラートに包んで開示します。例えば、妊娠中は海外出張が難しくなります。せっかく海外とつながりを作っていても(あるいは作ろうとしていても)それを強化することはできません。国際学会などをキャンセルすることにもなります。海外に限らず、体調によっては国内の学会、研究会、その他諸々参加できません。他には、これからの実質的な研究時間は、他の研究者と比べて確保できないのは明白です。出産後は勉強会さえ出産が難しくなりますよね。配偶者の事情によっては、単独で育児の主体者にならざるをえません。産前ブランクは産後のこのような状態にとってどう影響するでしょうか。などなど。真実を書けばいいわけです。

 

ちなみに一昨年まで、研究中断の影響は、申請書と別のA4用紙1枚にびっしり書かないといけなかったようです。しかし、私が提出した平成29年度採用の申請からは、申請書の【現在までの研究状況】の一項目に変わっています。過去のRPD採用者の方にA4用紙1枚にびっしりと書かれた理由書を拝見させてもらったことがありますが、ここまで個人情報を書かないといけないのかと思うことまで言及されていました。逆にいうと、そこまで書かないと埋まりません。やはり、そこは見直されたのだと思います。

 

妊娠・出産・育児に当たられている方は、ご自身が経験した影響を客観的視点をもちつつ、そのまま記述すればそれで問題ないと思います。