双子ママ研究者の研究・育児日誌

文系の女性研究者(特別研究員PD)のブログです。 出産して双子の女の子のママになりました♡育児と研究の両立に奮闘するなかで思ったことを書いていきます。

特別研究員の保育園事情2

さて、前回のブログでも書いたように、学振の特別研究員は、学振と雇用関係がないため就労証明書が出ません。さらに、一般的にとっても変わっている仕事内容なので、周りに理解されにくいです。ということで、特別研究員の保活はややこしくなります。


妊娠中から、ネットを検索しまくり、学振研究員がどうやって保活に成功したのか調べましたが、情報がとっても少ないですね。特に、成功体験は見つかりにくかったです。そこで、無事に認可保育園(今年から認定子ども園になった)に入園が決まった私の体験談を書いておきます。


ただし、私の住んでいる市は、待機児童が発生はしていますが、超激戦区ではありません。さらに、我が子は双子なので、それは加点されていると思います。しかし、義理の両親が近くに住んでいるという減点要素もありました。


まず、保育園申請に準備したものは、以下の4つのものです。


①学振の採用証明書

 就労証明書が発行されない代わりに、学振は採用証明書を発行してくれます。採用証明書には、給与額の記載をするかどうか選択することができます。私は給与額を記載することをおススメします。学振の給与は、フルタイムに相当する額ですので、「ちゃんと毎日働いている人ですよ(あるいはフルタイムに匹敵しますよ)!!」とアピールするためのポイントになると思います。


②研究の週間スケジュール(研究中断前1部、研究再開後1部)

 非常勤など授業のある方ばかりではないと思います。しかし、自宅作業ばかりでは明らかに不利ですので、たとえば出身大学で授業に参加させてもらっている場合はその時間割や、研究会などのスケジュールも書きましょう。その旨は、念のため市役所で説明しておきましょう。また、受け入れ研究者の方の記名、捺印をいただきました。


③研究業績一覧

 市役所の方には、これはなくてもいいと言われましたが、作成済みであったため、いちお提出しました。


日本学術振興会特別研究員(PD)受け入れ研究者による保育所入所希望理由書

 簡潔に言えば、受け入れの先生に一筆書いていただくということです(私が下書きをして、先生に確認をいただき、捺印をいただきました)。私は、その一筆の書類のタイトルを上記のようにしました。学振の評価書のフォーマットを利用し、受け入れ研究者の所属・職・氏名(捺印)、保育所入所希望者(私)の氏名・研究者名・生年月日、特別研究員の採用期間(採用時および研究中断後)、研究課題名、研究奨励金を記載しました。そして、「特別研究員の研究事情および保育所入所希望理由」と題して、もろもろの事情について記述しました。以下、記入例を載せておきます。


【記載例】

保育所入所応募者の○○(研究者登録名(旧姓):△△)は、現在、独立行政法人日本学術振興会の特別研究員(PD)に採用されている。特別研究員は、採用申請時に自身の3年間に渡る研究計画書を提出し、その研究内容を追行することを条件に採用される。これは「特別研究員採用期間中遵守事項」に記載されている「特別研究員の義務」の一つである「研究専念義務」に明記されている。「研究専念義務」によれば、「特別研究員は、出産・育児に係る採用中断の扱いを受ける場合を除き、申請書記載の研究計画に基づき研究に専念しなければならない」。

応募者は、□年□月に双子の出産を予定しており、□年□月1日より特別研究員の採用中断を申請している。出産・育児休暇を経て、○年○月より特別研究員研究再開準備期間を経て研究の再開を予定している。研究専念義務に従って研究の再開が求められるが、そのためには子どもを保育所に預け、研究時間を確保する必要がある。保育所入所資格を証明するため、本来ならば雇用証明書を提出する必要があるが、応募者は、日本学術振興会に採用されてはいるが、その採用において日本学術振興会との雇用関係は成立しておらず、雇用証明書を発行することができない。したがって、①特別研究員採用証明書、②本状(日本学術振興会特別研究員(PD)受入研究者による保育所入所希望理由書)、③応募者の週間研究スケジュール(研究中断前1部、研究再開後1部)、④研究業績一覧、を提出させていただき、雇用証明書に変えていただきたい。
 

 

(各々の研究事情、配偶者の事情など)

 

 

 

これらの事情を考慮しても、応募者は保育所に児童を預かっていただく必要があると考えられる。

 


参考にしていただければ幸いです。

 

私は市役所に相談に行く前に、最低限の資料はそろえておくことをおススメします。繰り返しになりますが、特別研究員の身分は一般的にとても伝わりにくいものです。他の仕事も抱えている市役所の方に短時間で事情を理解していただくためにも、事前準備は必須だと思います。しかも、市役所の人は、保活の「審査員」でもあるわけですから…。


私が相談した担当者の方は、幸いとても親身になって話を聞いてくださる親切な方でした。3回ほど相談に行きましたが、最後の段階では、「これだけそろえば大丈夫でしょう」と言ってくださいました。保育園選出のときも、もちろん、その場に私は参加できないわけですから、自分の事情を代弁してくださる方に巡り会っておくことは大切だと思います。「特別研究員???なんだそれ??」とならないためにも…。


余談ですが、市役所の方に直接相談すると、運が良ければ、保育園申請の加点のヒントを見つけられるかもしれません。「役所の職員ですので、はっきりとは言えませんが、○○しとくことをお勧めします」というような情報を教えてもらえるかもしれません。この内容は、各市町村でおそらく異なるのではないかと思います。保活の都市伝説みたいなものがいろいろありますが、やはり、市役所の担当者の方に直接相談することは重要かと思います。


特別研究員の方が、その身分ゆえに保活をクリアすることができず、研究再開ができないということがないことを願っています。

 

 

※追記

今年の私が住んでいる市では、0歳時の待機児童もかなり出たみたいです。フルタイムの夫婦も普通にもれて、引越しされた方もいるそうです。二次審査でなんとか入れた方で、市の境の遠方まで毎日通われている方もいます。私は家から歩いて10分のところの認定こども園に決まりましたが、その園の倍率はかなり高かったみたいです。おそらく、双子であることが加点になったと思われますが、学振でもフルタイムと同等、頑張り次第でプラスαを認めてもらえる可能性があるということだと思います。大切なことは、やはり市役所の方に説明して分かっていただくことだと思います。